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お久しぶりなヘラクレスとサディクさんです

相変わらずの仲です(笑)

 




探偵業に休みなど無い。いつ依頼が来るかわからないため、常に部屋にいなければならないのだ。普通ならばそれは退屈すぎるのだが、ヘラクレスにとっては違った。依頼人を待つこの部屋は日当たりが良く、ぽかぽかと暖かい日差しが差し込んでくる。窓際の彼の特等席で、彼は大抵うつらうつらと船をこぐか寝ているか。依頼人なんて滅多に来ない。だから今日も、可愛いらしい猫を撫でながら日向ぼっこをしている。

「ん………」
開けっぱなしの窓から良い感じの風が入ってくる。優しい風が焦げ茶色の髪を撫でる。そよそよ、頭の上のくるんがゆっくり動く。
「今日も……いい風だ……」
窓を閉めることなく、ぼぉっと外を見続ける。多分今日も依頼人は来ないだろう。家主である叔父のサディクが戻ってこない限り、ここは平和だ。うつらうつら、瞼が重くなってきた。視界が度々半分以下になる。
「お前も……おやすみ……」
暖かい日差しを浴びながら、彼の胸の上で眠りにつく猫。軽く撫でると、髭がぴくぴく動く。

このまま眠りに入ってしまおう

そう思った時だった。



ブァァァァっ……



「わっ………」
突風が窓から吹き込んできたのだ。思わずヘラクレスは強く目を閉じる。もう収まったかな、と思って開けると、視界に映ったそこは酷いことになっていた。
「…………わぁ………」
部屋中(来客が来たらこの部屋に通すことになっている)が紙で埋め尽くされているのだ。原因は先ほどの風。ぐるりと部屋を見渡し観察すると、風以外の原因も判明した。書類が数多仕舞われている棚の扉が開いていたのだ。なるほど、風がそこに舞い込み、書類をばらばらにしてしまったのか。
「推理……おわり」
さすが探偵業を営んでいるだけはある。サディクが独立させてくれないため、今は彼の探偵事務所にいさせられているのだが。いつか独立してやる、その野心は一人前だ。


にゃぁ
突風で眠りを妨げられたからか、猫が一鳴きする。そしてじっとヘラクレスを見つめた。片付けろ、とのことだろうか?
「………めんどう」
にゃあ
もう1度鳴く。じっと見つめてくる。はぁ、仕方ない。
「やる気出すの、紀元前になってからなんだけどな……」
そう呟くとヘラクレスはゆっくりと腰を上げた。




散らばった書類をざっと見る。よくもこれだけの書類を棚に入れていたものだ。パソコンでデータとして収めておけば良いのだが、生憎サディクもヘラクレスもパソコン類は苦手なのだ。それに依頼人の守秘義務もあるため、どこに漏洩するかわからないデータよりも紙媒体の方が良いのである。だが、この量。結構うんざりする。
「よし………整理はサディクにやらせよう」
自分はこれらを集めるだけでいいやと判断し、ヘラクレスは散らばった紙類を集め始めた。

ただの単純作業かと思いきや、結構面白見がある。まとめるために手にとった書類にちらりと視線を移すと、それは懐かしいものだった。
「あ。」
5年前の浮気調査。旦那がいつも遅くに帰ってくる上、知らない香水の匂いがする。そう言われて調べたものだ。結果は旦那は浮気ではなく、結婚記念日に向けて妻のためにお手製の香水を作っていたのだ。専門の下で妻に合うための香を何度も何度も選んでいた。
「…これも」
2年前の殺人未遂事件。欧州的な雰囲気のとある店で、料理を食べた者が倒れた。かけつけた警察の調べで殺人とされ店主が捕まりかけた。その店のバイトが依頼をし再調査したところ、殺人などではなく、ただ持病の発作が起きてしまっただけだった。あまりの美味しさに興奮したらしい。その者は病院で意識を取り戻し、関係者各位にその旨を述べて謝ったとか。
「懐かしい……」
見事解決出来たもの、残念ながら解決出来なかったもの。それらは様々で、全てが上手くいったわけではない。最近依頼のあったとある少女からの仕事は結局2人には解決出来なかった。様々な事情により不可能となったのだ。それに、何年も前からとある組織に関する依頼が少ないが続いている。謎の多い組織であるため、依頼の有無に関わらず彼らは独自に調査を行っている。手掛かりはほとんど無いが。
「…………ん?」
薄茶色のA4サイズの紙袋の中に書類が入っている。表には何も書かれていないために裏を見ると、やはり何も書かれていなかった。気になったヘラクレスは紙袋を開けようとする。厳重に締められているそれをびりびりと破って。
何が入っているのだろう?そう思い開けると、やはり中に入っているのは書類の束だった。ただし、押されている印が気になる。この印は……

「G……P………読みづらい……」
特殊な印であるため判別がしづらい。とりあえず読めた2文字を声には出すが、それ以降はわからない。ならば書かれている内容を……
「てめぇ何広げてんでぃ!!!」
部屋中に響き渡る大声。聞き慣れたその罵声にヘラクレスは眉をしかめる。
「………サディク」
「書類こんなにバラバラにしやがって!!!さっさと片付けろってんだ!!」
「俺じゃない」
「てめぇ以外に誰がいやがんだ!!」
ヘラクレスの持っている封筒を奪い取り、サディクはさっさと部屋を片付けるよう指示を出す。
俺のせいじゃないのに……と言いながらも、渋々とヘラクレスは部屋の片付けを始めた。



……………………………

携帯サイトを作りました!まだ開設してませんが(笑)
そこでこのシリーズのプロローグを書いたのですが、そのプロローグで思いついたサディクの設定
勘の良い方は何か気付いたかな?
次回にその内容書けたら良いな~

えび

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